採血は試験計画書で定められた部位で行います。主に鎮静下で実施します。
鎮静剤はメデトミジン、ミダゾラムを混合して用います。鎮静剤投与は、主に飼育ケージ内で実施します。
少量採血の方法(5ml以下)
- 耳介静脈を用いる。
- 採血部位を、血管が目視できるようアルコール綿で清拭する。
- 26~21Gの注射針を耳介静脈に刺入する。必要に応じて駆血する。
- シリンジ内筒を引き、目的の採血量に到達したら、内筒を止める。
- 刺入部位をカット綿等で軽く押さえ、針を引き抜く。
- 刺入部位を圧迫止血し、止血を確認する。
大量採血の方法(5ml以上)
- 前大静脈洞を用いる。
- 鎮静剤投与のための投与部位をアルコール綿で清拭する。
- 鎮静剤を筋肉内に投与し、鎮静が確認された後、動物を仰臥位に固定する。
- 胸骨柄周辺をアルコール綿で清拭し、両前肢を尾側に倒し、軽く保定する。
- 太さ23~21G、長さ1~1・1/2の注射針を用いる。
- 水平に対して30~45°の角度で胸骨柄と肩甲骨の間から刺入し、反対側の最終肋骨方向に刺入するイメージを持つ。
- 刺入した瞬間からシリンジ内筒を引き、陰圧をかけながら、針を進める。
- 反対側の最終肋骨方向を目標として、針を進め、静脈血の流入が確認できたところでシリンジ全体を固定し、シリンジ内筒を引く。
- 目的の採血量に到達したら指を添えて、針を引き抜き、圧迫止血する。
血清分離の方法
- 血清分離剤を封入したチューブに、採血した血液を移す。
- 約30分静置させたあと、遠心機で遠心分離する。
・遠心機:クボタ社製 卓上冷却遠心機2800
・回転数:3000回転/分
・遠心時間:15分
血清分注の方法
- 遠心機から取り出し、血清が分離されていることを確認する。
- マイクロピペットを用い、血清を採取し、マイクロチューブに移す。チューブ容量が足りない場合は、別途、血清量に見合った容量のチューブに移す。
血清の保管
- 分注したチューブに、検体情報を記載したラベルを貼付、もしくは直接チューブに記載する。
- 検体を採取したチューブは、他の検体と取り違いのないよう試験毎に定めたフリーズボックスに入れる。
- フリーズボックスの上蓋にも検体が確認できるよう試験番号等を記載する。
- 薬剤調製室に設置している実験用フリーザーで、冷凍保管する。
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