投与の概要
- 投与は受託試験では試験計画書に、受託した飼育管理では委託責任者からの指示書に基づき、指定されている時間に行う。
- 注射針、翼状針等は、ディスポーザブルを用いる。
- ガラスシリンジを使用する場合は、滅菌したものを用いる。
- 投与液をゴム栓バイアル瓶から採取した場合は、動物に投与する針は新しいものを用いる。
- 投与は通常、対照群より始め、低用量群から高用量群へと一定の順で行う。
- 全ての投与は動物のストレスを極力少なくするよう手際良く迅速に行う。
- 実施者は、各動物への投与を終える度にデータシートあるいは飼育管理記録の処置確認欄にレ印を記入し、投与を行ったことの確認とする。
投与の種類
経口投与
- 被験物質を配合した特殊飼料を用いて給餌により行う。
- 食べこぼしを除き、必要に応じて給餌量を測定する。
強制経口投与
- 経口ゾンデとシリンジを用いる。
- 動物が暴れないように保定する。
- 経口ゾンデが通る程度に口を開かせ、ゾンデを食道に挿管する。
- 経口ゾンデを胃内に留置し、シリンジ内筒を引き、空気の流入が無いことで、気道に入っていないことを確認する。
- ゾンデが、胃内に到達せず食道内にある場合は、嚥下を促しながら慎重に投与する。
- 内筒を押し切った後、空気、または生食等を用い、ゾンデに残った投与液を完全に注入する。
- ゾンデを引き抜き、動物の状態に異常がないことを確認する。
静脈内投与
- 主に耳介静脈を用いる。
- 必要に応じて、鎮静剤を筋肉内投与する。
- 血管内に空気が入らないよう、シリンジ内の空気を完全に抜いておく。
- 投与部位をアルコール綿で清拭し、消毒および怒張させる。
- シリンジ内筒を引き、血管内に入ったことを逆血により確認する。
- 血管内の注射針が振れないよう、慎重に投与液を注入する。
- カット綿を刺入部位に添え、血管から注射針を引き抜いたあと、投与液および血液が漏れないよう、圧迫止血する。
- 血管周囲の腫れや出血のないことを確認する
皮下投与
- 投与部位は、覚醒下では主に側頚部、鎮静下では側頸部および四肢の付け根あたりの皮膚の柔らかい部位とし、アルコール綿で清拭する。
- 動物を保定する。
- 筋層に到達しない程度の長さの翼状針を用い、やや斜めに皮下に刺入する。
- 内筒を引き、逆血のないこと、針が左右に振れることを確認し、投与液を注入する。
- 注射部位周辺が丸く膨らんでくることを触診し、皮下に投与されたことを確認する。
- シリンジ内筒を押しきったあと、翼状針カテーテル部に残った投与液を生食等を用い、完全に注入する。
- 内部の組織を傷つけない程度に、刺入部位を軽く押さえながら針を引き抜く。
- 刺入部位から投与液が漏れてこないことを確認する。
筋肉内投与
- 投与部位は、覚醒下では主に頚背部とし、鎮静下では頚背部および大腿部とし、アルコール綿で清拭する。
- シリンジにエクステンションチューブ、その先に注射針を繋いだもの、もしくは翼状針を用い、筋層に対し、垂直に刺入する。
- シリンジ内筒を引いて逆血のないことを確認し、投与液を注入する。
- エクステンションチューブ、もしくは翼状針カテーテル部に残った投与液は生食等を用い、完全に注入する。
- 注入後は、指で投与部位を押さえて止血し、投与液が漏れてこないことを確認する。
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