実験用のブタとは
実験用のブタは、基本的に実験のために生産・飼育されるブタを指しますが、実際食肉として生産・育成されているブタも必要に応じて実験用に転用されています。実験用のブタは主に交雑種のブタです。
ブタは解剖学的・生理学的に人と多くの類似点がありますので、実験動物として注目され、試験や教育、医学・薬学分野によく使われます。
実験用のブタの種類と特徴
実験用のブタは家畜ブタとミニブタ(コンベンショナル・SPF)に大きく分けられます。
実験用の家畜ブタ
代表的な実験用の家畜ブタは養豚場のブタです。
実験用の家畜ブタの特徴としては、臓器がヒトに近く、機器本体を体内に埋め込めます。そして、家畜ブタは極めて早く成長し、生後3ヶ月で約30㎏、6ヶ月で100㎏超まで育ちます。家畜として大量に育てられていますので、ミニブタに比べて値段が安いのも魅力です。
そのため、外科・デバイスのトレーニング、人間に近しい臓器を必要とした実験によく使われます。
実験用のミニブタ(コンベンショナル・SPF)
代表的な実験用のミニブタは「マイクロミニピッグ」、「ゲッティンゲンミニピッグ」、「クラウン系ミニブタ」です。ここでは3つの品種について解説します。
実験用のミニブタ① マイクロミニピッグ
国内のミニブタでは最も小型と言われています。マイクロミニピッグの体重は15~30kgほど、体長は40cmほどと、大体2歳の子ブタの大きさで成長が止まり、その後はずっとその大きさのままとなります。
実験用のミニブタ② ゲッティンゲンミニピッグ
実験用代表的な品種であるゲッチンゲンミニブタは、ドイツのランドレース種とベトナムポットベリーとミネソタミニブタの交配種です。文献への実績が多く最も信頼性が高いと言われています。ゲッティンゲンミニピッグは病気の理解と、新しい治療法や医薬品の開発に大きく貢献してきました。
実験用のミニブタ③ クラウン系ミニブタ
クラウン系ミニブタは特定の閉鎖集団内で繁殖・維持されている近交系実験ブタです。国内での供給歴は最も長いと言われています。 クラウン系ミニブタの性格は温順で取り扱いやすいです。そして、耳介が比較的大きいので、採血が容易となります。生後6ヶ月で臓器・繁殖機能は成熟します。
実験用のブタの用途
実験用の家畜ブタ
実験用の家畜ブタ(40㎏)の臓器はヒトと同じようなサイズのため、外科・デバイスのトレーニング、人間に近しい臓器を必要とした実験によく使われます。
実験用のミニブタ
実験用のミニブタは創薬など各研究、医薬品の安全性評価によく使われます(一般例)。
創薬研究において
- 再生医療領域
- 動脈硬化症モデル
- ワクチン開発
- 抗血小板治療薬の開発
- 神経内分泌研究
医薬品の安全性評価において
- 一般毒性試験
- 安全性薬理試験コアバッテリー
- 生殖発生毒性試験
- 皮膚局所刺激性
- 免疫毒性試験
- 薬物代謝
- ワクチンの非臨床安全性評価
その他
- 経皮吸収薬の動態モデル等
- 皮膚科領域の研究
- 脳梗塞モデル等
- 脳神経外科分野の研究
対応できる基本的な実験手技
- 採血:前大静脈洞採血、耳介静脈採血、尾静脈採血
- 血清分離
採血方法と血清分離及びその保管についてはこちら
- 経口投与:液剤投与、カプセル剤投与
- 静脈内投与
- 筋肉内投与
- 皮下投与
投与の種類と方法についてはこちら
過去の受託試験
家畜ブタを用いた実験 | 肝臓摘出 |
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急性期ラボ | |
皮膚試験 | |
内視鏡およびバイパス手術 | |
医療技術トレーニング | |
インプラント実験(本実験) | |
軟性鏡手術試験 | |
投与実験 | |
血糖値測定機器の評価 | |
内視鏡トレーニング | |
人工肛門作製実験 | |
皮膚投与実験 | |
Ⅰ型糖尿病モデルブタでの機器性能評価 |
ミニブタを用いた実験 | 免疫実験 |
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心筋梗塞モデル | |
医療機器性能評価 |
実験用のブタの輸送サービス
ハマグチラボプラスでは、実験動物専用空調車で北海道から沖縄まで全国または海外までの輸送サービスを提供しております。大まかな輸送頻度と言いますと、関西方面なら10〜20回/週、関東方面なら 2〜5回/月です。
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実験用のブタをはじめとした大動物試験専門の「彩都ラボ」
実験用のブタの飼育環境
※治療(医療)用のブタは対象外です。
■その他の動物の実験
慢性腎不全モデルラットの作製‐腎動脈分枝結紮法‐
マウスを用いた耐糖能試験-OGTT-
坐骨神経切除による腓腹筋,ヒラメ筋,足底筋に対する影響
低用量STZ誘発性糖尿病
モデルブタの作製
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